2組入口
注へ 問題へ

この物語の続きは光源氏誕生(後編)へ
光源氏が18歳になってからのお話は小柴垣のもと(前篇)へ  小柴垣のもと(後編)へ
人物相関図へ

全54巻に及ぶ長編物語
ここでは主人公となる「光源氏誕生」を紹介します

いざ、平安の世へ


★現代語訳★
 いつの時代であったでしょうか、天皇のお妃様がたくさんいらっしゃる中に(注1)、それほど高い身分ではないのに
一際、天皇からのご寵愛を受けておられる方がいらっしゃいました。そのお方のお名前は「桐壷」(注2)とおっしゃいました。
※ 宮中の中は天皇と、お妃様達のそれぞれのお部屋に
分けられており、 赤く色が付けてあるのが桐壷、
青く色が付けてあるのが、天皇のお部屋
周りのお妃様たちは、当然妬み、嫉妬していらっしゃいました。 そのようなことが続いたせいか、病気がちになられ、実家に帰りがちなのを、天皇はますます愛しくお思いになられました。(注3)  天皇は、周りや、世間の人の批判を気になさらなかったので、上達部や上人など(注4)も、見て見ぬふりをしました。 世の人々は、唐(今の中国)でこのようなことが起こり、政治が乱れたという例を知っていたので、頭を抱えていました。 また、桐壷はそんな世間に後ろめたい気持ちはお持ちでしたが、天皇の限りない愛を頼りに、日々お過ごしになっていました。  桐壷の父である大納言は亡くなり、母は父の正妻で旧家出身の由緒ある方でした。 母親の助けを借りながら、大抵の儀式をうまく処置なさいましたが、とりたてて頼りになる後見人(注5)がいなかったので、特別な行事(注6)がある際には頼るところが無く、とても心細そうでありました。